東日本大震災では、学会員をはじめ多くの災害医療従事者が活動したことが評価されました。一方で、統一の書式や運用のルールが無いまま独自の診療記録を使用したため被災地で混乱が生じ、医療班同士の診療引き継ぎに支障をきたし、診療記録から医療情報が抽出できずリアルタイムに施策に反映されない等の課題が指摘されました。
日本集団災害医学会(現日本災害医学会)と日本救急医学会、日本診療情報管理学会、日本病院会、日本医師会の5団体が、災害時における標準的な診療記録を検討することを目的として「災害時の診療記録のあり方に関する合同委員会」(国立病院機構災害医療センター小井土雄一委員長)を設置し、精力的な活動の成果として「災害時標準診療記録」が呈示されました。
今後起こるべき災害に備えて、出来るだけ多くの災害医療従事者が本診療記録について習熟し、実災害において円滑に使用できることが必要となります。学会員の皆様においては、災害に関する研修会や病院の災害訓練等において本診療記録が使用され、地域や職種を超えて活用できるようには働きかけいただければと思います。
災害時標準診療記録は下記よりダウンロード可能ですので、是非、ご覧下さい。

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